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群馬大学 生体調節研究所

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Munc13-4は、CD11c+抗原提示細胞機能をコントロールすることで、喘息および肥満を制御する

奥西勝秀1, 2*, 高地雄太3, 趙敏1, 王昊1, 中込一之4, 泉哲郎1*(1. 群馬大学生体調節研究所 遺伝生化学分野、2. 同 内分泌・代謝システム制御分野、3. 東京医科歯科大学 難治疾患研究所、4.埼玉医科大学 呼吸器内科。*, 責任著者)

概要

最近、喘息・肥満両疾患共通のリスク遺伝子が明らかにされましたが、それらの多くの機能は、未だ不明です。今回私たちは、マウス疾患モデルを用いて、そのリスク遺伝子の一つMunc13-4の機能を初めて明らかにしました。すなわち、Munc13-4は、(免疫応答のマスターレギュレーターである)CD11c+抗原提示細胞からの免疫制御性蛋白質IL-10とIL-12の分泌を正に制御しており、Munc13-4欠損マウスでは逆に、両蛋白質の分泌が低下する結果、喘息様気道炎症や、肥満に伴う脂肪織慢性炎症が増悪しました。そして後者は、肥満・糖尿病の悪化に結びつきました。更に、データベースから、喘息・肥満との関連が示されたMunc13-4遺伝子の多型は、免疫細胞におけるMunc13-4発現を低下させることも分かりました。ヒトにおいても、Munc13-4の発現減少が喘息や肥満を悪化させている可能性が考えられます。今後、Munc13-4を活性化させることで免疫応答を制御し、喘息・肥満両疾患を同時に治療できるような、新規治療法が開発されることが期待されます。

プレスリリース資料はこちらをご覧になってください。

原著情報

Okunishi K, Kochi Y, Zhao M, Wang H, Nakagome K, Izumi T. Munc13-4 regulates asthma and obesity in mice by controlling functions of CD11c+ antigen-presenting cells. Allergy. 2024. Online ahead of print. https://doi.org/10.1111/all.16087

オンラインURL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38426389/

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