代謝疾患医科学分野の白川純教授らは、横浜市立大学との共同研究で、日本人の医療ビッグデータを用いた不均衡解析により抗甲状腺薬の副作用プロファイルを明らかにしました。
本研究では、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による日本国内の医薬品副作用報告データベースであるJADER(The Japanese Adverse Drug Event Report)データベースの70万症例以上の情報と厚生労働省の保有するレセプト情報・特定健診等情報データベースであるNDB(National Database)オープンデータにおける年間1億5000万錠以上処方されている抗甲状腺薬の情報を組み合わせて、比較的頻度の低いものも含めて網羅的に解析することで、抗甲状腺薬による副作用のプロファイルを割り出しました。
本研究結果は、臨床的に頻用される抗甲状腺薬の副作用に対する注意喚起や予防策に寄与するとともに、医療ビッグデータをデジタルトランスフォーメーション(DX)によりメカニズム解明へと還元する発展的な研究への応用が期待されます。
本研究の成果は5月2日(火)(日本時間5月3日)に米国科学誌Thyroid(米国甲状腺学会誌)において公開されました。学術的に卓越した治療への応用性の高い研究内容で、大きな社会貢献が期待されることから,お知らせいたします。
・雑誌名:Thyroid誌(米国甲状腺学会誌)
・公開日:5月2日(日本時間5月3日)
・タイトル:”A disproportionality analysis of the adverse effect profiles of methimazole and propylthiouracil in patients with hyperthyroidism using the Japanese Adverse Drug Event Report Database”
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