代謝疾患医科学分野の白川純教授らの研究グループは、国際医療研究センター、アルバータ大学(カナダ)等との共同研究で、インスリンを産生する膵β(ベータ)細胞の増殖を促進し、細胞死(アポトーシス)を抑制することで膵β細胞を増やす上で重要な代謝産物を発見しました。
本研究では、膵島のメタボロミクスという手法を用いて、糖尿病治療薬であるイメグリミンにより膵島で変化する代謝産物を詳しく調べました。その結果、インスリンをつくる膵β細胞の増殖促進や細胞死の抑制に関わる、特に重要な代謝産物として「アデニロコハク酸(Adenylosuccinate:S-AMP)」を特定しました。本研究の成果により、S-AMPという代謝産物が膵β細胞の数を増やすしくみに関わっていることを突き止め、糖尿病に対する新しい治療法への応用が期待されました。本研究の成果は7月10日(木)に米国科学誌Diabetes(American Diabetes Association:米国)において公開されました。
・雑誌名:Diabetes(American Diabetes Association:米国)
・公開日:2025年7月10日
・タイトル:Adenylosuccinate mediates imeglimin-induced proliferative and antiapoptotic effects in β-cells.
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