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群馬大学 生体調節研究所

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【プレスリリース】脳内で記憶を司る海馬の形成に働く新たな因子の発見 ~ 空間記憶能力や不安を感じる能力に重要~

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細胞構造分野の佐藤健 教授、前島郁子 助教らの研究グループは、徳島大学、東京大学、京都大学、奥羽大学、量子科学技術研究開発機構および早稲田大学との共同研究で、細胞内輸送システムの中心的制御因子であるRabファミリータンパク質の1つRab35が、マウスの海馬形成とその機能に必須であることを明らかにしました。細胞内輸送システムの破綻は神経疾患の発症要因であることから、本研究成果は精神・神経疾患の病態解明に貢献するものと考えられます。
近年、細胞機能に重要な細胞内輸送システムの破綻がパーキンソン病やアルツハイマー病といった神経・精神疾患の発症要因となることが明らかになりつつあり、細胞内輸送システムの中心的制御因子であるRabタンパク質ファミリーの働きに注目が集まっています。Rabタンパク質の1つであるRab35は、これまでに、培養細胞を用いた研究から神経細胞の軸索伸長やシナプスからの神経伝達物質放出などに働くことが報告されていました。このことから、脳においてRab35が重要な役割を果たしていることが予想されていましたが、実際の生きた動物の脳における役割はほとんど明らかになっていませんでした。
今回、脳特異的Rab35ノックアウトマウスを作製し解析したところ、海馬の神経細胞の分布が乱れ、海馬の形態に異常が生じていることが判明しました。また、このマウスでは、海馬が司る重要な脳機能である空間記憶能力や高所から落ちてしまうなど不安を感じる能力の低下も認められました。
本研究によって、これまで不明であった高次脳機能におけるRab35の生理的重要性が明らかとなりました。細胞内輸送システムの破綻は神経疾患の発症要因であることから、本研究成果によって細胞内輸送システムによる高次脳機能制御の一端が解明されたことで、精神・神経疾患の病態解明に貢献することが期待されます。

・雑誌名:Communications Biology(Nature Publishing Group社:英国)
・公開日:4月21日(金)日本時間 23:00
・タイトル:”RAB35 is required for murine hippocampal development and functions by regulating neuronal cell distribution”

研究内容の詳細はこちらをご覧になってください

プレスリリース資料はこちらをご覧になってください。

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