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群馬大学 生体調節研究所

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[20211220]内分泌・代謝学 共同利用共同研究拠点セミナー(2021年12月20日開催)生活習慣病解析プロジェクト共催

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2021年12月20日16時より生体調節研究所内分泌・代謝共同利用共同研究拠点セミナーを現地講演およびオンライン (Zoom)にて開催しました。講師には、熊本大学・生命資源研究支援センター・大学院生命科学研究部分子血管制御分野・教授の南敬先生をお招きしました。「エピゲノムダイナミクスを介した血管活性化遺伝子群の誘導とダウン症関連因子による抗がん・抗生活習慣病制御」と題して、VEGFの刺激後ごく初期における即時型転写因子群の新規エピゲノム制御機構に始まり、ダウン症因子 (DSCR)-1による代謝疾患および癌の発症機構に関する知見など多岐にわたる内容をご講演いただきました。現地およびZoomにて多数の方にご参加いただき大変盛況なセミナーとなりました。

「エピゲノムダイナミクスを介した血管活性化遺伝子群の誘導とダウン症関連因子による抗がん・抗生活習慣病制御」
・講師:南 敬 先生
熊本大学 生命資源研究支援センター
大学院生命科学研究部分子血管制御分野 教授
・日時:2021年12月20日(月)16:00~17:00
・開催方法:講演(生体調節研究所1階 会議室)およびオンライン(zoom開催)
・申込方法:12月20日(月)正午までに所属・氏名・セミナー開催日を下記のウェブサイトで入力し,
https://docs google com/forms/d/e/ 1 FAIpQLSeAArh 651 EqQJA 1 taK_ceH 0 kc
zsmUYmZtKJzRoauIV 9 Q 0 n 2 oQ/viewform
・連絡先:稲垣 生体調節研究所 代謝エピジェネティクス分野(内線 8880)

循環恒常性は、炎症・血管新生・凝固の各ステップが階層的に組織的に行われることで正常に機能する。特に血管内皮制御が物質透過性、正常発生や腫瘍発生の要と考慮されており、我が国の生活習慣病を含めた三大疾患抑制に向けての重要なステップと考えられている。そこで先ず、炎症を伴う血管新生因子の代表として VEGF に着目し、内皮細胞における VEGF シグナルでのゲノム・エピゲノム動態を詳細に解析した。その結果シグナルを受けて5分後にはクロマチン構造変化が生じ、NFAT 経路が特異的に活性化すること、血管新生に必須な全ての即時型転写因子群の発現制御領域に特徴付けられる Bivalent histone mark の存在が見出された。VEGF 刺激 15 分後には、Bivalent 領域に活性化ポリコーム(PRC)1.3が濃縮して H2AK119Ub レベルが減少し、H3K27me3 ブレーキ機構がキャンセルされ、その後 PRC1.3 からcanonical PRC1に置換する60分以内にクロマチンが閉じることが示された。又 NFAT と MLL3/4 adaptor-PTIPが相互作用することから、NFAT配列認識能を介してこの Bivalent領域に MLL3/4 複合体が濃縮しアクセルマークを増幅させる動的な転写原理が示された。更にVEGF 刺激1時間後には NFAT シグナルのフィードバック阻害能を有するダウン症因子 (DSCR)-1 が誘導される。そこで DSCR-1 及びダウン症モデルマウスを用いて血管制御解析を行ったところ、ダウン症の固形がん抵抗性のみならず、抗動脈硬化機能も再現することができた。更に DSCR-1 がないと肝臓の炎症が亢進し、高脂肪食負荷により重篤な高コレステロール血症を呈すること、その結果加齢に伴い脂肪腫や角膜混濁を示すことを新たに見出した。これらの学術展開がダウン症はもとより、加齢・生活習慣病やがんに対する新規治療・予防アプローチに繋がることが期待される。

ポスターはこちら → 2021年度 拠点セミナー フライヤー 南敬先生 TSTI (003)

 

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