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群馬大学 生体調節研究所

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腸内分泌ホルモンによる摂食嗜好性の調節

吉成祐人*1,2、西村隆史*1, 吉井大志3、近藤周4,5、谷本拓6、小林朋絵7、松山誠7、丹羽隆介*2 (1. 群馬大学生・体調節研究所・個体代謝生理学分野、2. 筑波大学・生存ダイナミクス研究センター、3. 岡山大学学術研究院・環境生命自然科学学域, 4.東京理科大学・先進工学部・生命システム工学科、5.国立遺伝学研究所, 6. 東北大学大学院・生命科学研究科、7. 重井医科学研究所,*: 責任著者)

概要

群馬大学生体調節研究所(群馬県前橋市)の吉成祐人助教、西村隆史教授と筑波大学生存ダイナミクス研究センターの丹羽隆介教授、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の吉井大志教授らの研究グループは、モデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて、過剰なタンパク質摂食を防ぐ仕組みの一端を解明しました。
今回、研究チームは、キイロショウジョウバエの腸内分泌細胞から分泌される腸内分泌ホルモンCCHa1がタンパク質に対する食欲を抑制することを明らかにしました。腸内分泌細胞から分泌されたCCHa1は、腸へと伸びる神経により受け取られ、味覚神経へと情報を伝達することによりタンパク質の過剰な摂取を防ぐことが判明しました。さらに、CCHa1シグナルが正常に機能しないと、キイロショウジョウバエは高タンパク質食を過剰に摂取してしまい、有害なアンモニアを体内に蓄積してしまうことが明らかになりました。
本研究成果により、摂食障害や偏食といった疾患に腸内分泌ホルモンが関与する可能性が示唆され、今後腸内分泌ホルモンをターゲットとした治療が期待されます。

プレスリリース資料はこちらをご覧になってください。

原著情報

Yoshinari Y, Nishimura T, Yoshii T, Kondo S, Tanimoto H, Kobayashi T, Matsuyama M, Niwa R. A high-protein diet-responsive gut hormone regulates behavioral and metabolic optimization in Drosophila melanogaster. Nat Commun. 2024 Dec 30;15(1):10819.

オンラインURL

https://doi.org/10.1038/s41467-024-55050-y

研究室URL

https://sites.google.com/view/nishimura-lab/

 

  • 2025/01/10

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