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群馬大学 生体調節研究所

アクセス

神経幹細胞の増殖に働く因子を発見 〜細胞内品質管理システムの新たな役割〜

原太一(1群馬大 細胞構造分野,2 現 早稲田大学 人間科学学術院),前島郁子(1)、阿久澤共子(1)、平井里香(1)、小林久江(1)、塚本智史(3)、角田美香(1)、大野あぐり(2)、山越正汰(2)、及川哲志(2)、(佐藤健(責任著者、群馬大 細胞構造分野) 1) 国立大学法人群馬大学 生体調節研究所 細胞構造分野 2) 早稲田大学、人間科学学術院 3) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 技術安全部

概要

人の体を構成する細胞の表面は細胞膜で覆われています。この細胞膜の上には様々なタンパク質が存在しており、細胞外からの栄養の吸収や情報伝達などの多くの役割を担っています。このような細胞膜で働くタンパク質はまず細胞の中にある小胞体で作られ、その後、ゴルジ体を通って細胞膜へと輸送されます。しかしながら、この過程でタンパク質に異常があったり、組み立てに失敗してしまったタンパク質は小胞体から出られなくなったり、分解されて再利用されます。本研究では,Rer1というタンパク質がゴルジ体における品質管理システムとして働くことにより、脳におけるγ-セクレターゼの活性を維持し、その結果、Notchシグナル経路を介した神経幹細胞数の維持に貢献していることを発見しました。γ-セクレターゼはアルツハイマー病の原因の1つであるβアミロイドの産生に働くことが知られています。また、個体発生や幹細胞維持に機能するNotchシグナルの異常は、神経疾患やガンを含めた様々な疾患を引き起こすことが知られています。これらのことから、今回の成果は大脳形成機構の解明だけではなく、γ-セクレターゼの関連する疾患の発症機構の解明や神経幹細胞を用いた治療法開発へ役立つことが期待されます。
  

原著情報

Rer1-mediated quality control system is required for neural stem cell maintenance during cerebral cortex development. HaraT, Maejima I, Akuzawa T, Hirai R, Kobayashi H, Tsukamoto S, Tsunoda M, Ono A, Yamakoshi S, Oikawa S, Sato K. PLoS Genet. 2018 Sep 27;14(9):e1007647. doi: 10.1371/journal.pgen.1007647. eCollection 2018 Sep. PMID: 30260951

オンラインURL

https://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1007647

研究室URL

http://traffic.dept.med.gunma-u.ac.jp/index.html

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