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群馬大学 生体調節研究所

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インスリンを介した新しい脂肪蓄積機構を解明

歩 云(所属1)、奥西 勝秀(所属1)*、與五沢 里美(所属1)、水野 広一(所属1)、Irudayam, Maria Johnson(所属2)、Brown, Chester W、(所属2)、泉 哲郎(所属1)* (1)群馬大学 生体調節研究所 遺伝生化学分野 (2)米国テネシー大学 *, 責任著者

概要

肥満すなわち脂肪の増大は、糖尿病やメタボリック症候群を発症させる最重要の危険因子であることは、良く知られています。脂肪が蓄積する機序を明らかにし、その結果、肥満に対する新しい治療方法が開発されることが望まれています。
今回、我々は、米国テネシー大学との共同研究により、インスリンと脂肪織マクロファージの、新奇の脂肪蓄積亢進作用を解明しました。インスリンは、これまで、脂肪細胞に直接的に作用して、脂肪分解を抑制すると考えられていました。一方、我々は今回、インスリンが脂肪織マクロファージに作用すると、脂肪織マクロファージからのGDF3という蛋白質の分泌が亢進し、このGDF3が脂肪細胞上にある受容体ALK7に結合し活性化する結果、脂肪分解が抑制され、脂肪蓄積が亢進することを明らかにしました(図1)。将来、この作用経路を標的とした、肥満に対する新しい対処法、治療法の開発が期待されます。

原著情報

Insulin Regulates Lipolysis and Fat Mass by Upregulating Growth/Differentiation Factor 3 in Adipose Tissue Macrophages.
Bu Y, Okunishi K, Yogosawa S, Mizuno K, Irudayam MJ, Brown CW, Izumi T.
Diabetes 2018 Jun 26. pii: db171201. doi: 10.2337/db17-1201

オンラインURL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29945891

研究室URL

http://molend.showa.gunma-u.ac.jp/

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