ゲノム科学リソース分野の小林良祐研究員、畑田出穂教授らの研究グループは、子宮におけるRNAメチル化修飾制御がマウス胚着床の成立に不可欠であることを示しました。
近年、RNA分子のメチル化修飾の一つであるN6メチルアデノシン(m6A)が様々な生命現象や疾患病態を制御するエピジェネティクス機構として注目を集めています。今回我々は、RNA m6A修飾に重要なMettl14という遺伝子を子宮特異的に欠損させた遺伝子改変マウスを作出し、Mettl14欠損雌マウスは子宮におけるエストロジェン応答性シグナルの異常活性化により、着床不全による不妊となることを明らかにしました。
本研究の成果により、習慣性流産をはじめとした妊娠初期流産の診断や治療法の開発に向けた研究への展開が期待されます。
・雑誌名:The FASEB Journal
・公開日:2023年7月13日
・タイトル:”Aberrant activation of estrogen receptor-α signaling in Mettl14-deficient uteri impairs embryo implantation”
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