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群馬大学 生体調節研究所

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食事中にさらに食べたくさせる神経細胞を特定

ウィンダ アリヤニ1†、吉川千遥1†、常岡明加1†、天野出月2, 今吉格3,4,5、一瀬宏6、一瀬(鷲見)千穂7、鯉淵典之2、北村忠弘1、河野大輔1* (1. 群馬大学 生体調節研究所 代謝シグナル解析分野、2. 群馬大学大学院 医学系研究科 応用生理学分野、3. 京都大学大学院 生命科学研究科付属生命情報解析教育センター、4. 京都大学大学院 生命科学研究科 脳機能発達再生制御学分野、5. 京都大学 医学生物学研究所 幹細胞デコンストラクション分野、6. 東京科学大学 生命理工学院、7. 藤田医科大学 医学部 薬理学分野、†共筆頭著者、*責任著者

About

近年、世界的に肥満者の増加が深刻な問題となっています。マウスの摂食行動は、「食べ物を探す」「消費する(食べる)」「食事を終える」という3つの段階に分かれ、それぞれ異なる神経経路によって制御されています。しかし、「消費」段階を制御する神経経路の詳細は、これまで十分には明らかにされていませんでした。本研究では、視床下部室傍核にあるドーパミンニューロン群に注目して解析しました。その結果、視床下部室傍核ドーパミンニューロン群は食物の消費中に活性化し、さらに食物の消費行動をする時間を延長させ、摂食量を増加させる働きがあることが分かりました。さらに、肥満モデルマウスにおいて、ドーパミン合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素の発現が上昇しており、エピジェネティックなメカニズムを介して肥満の発症に関与していることが明らかになりました。これらの結果から、視床下部室傍核ドーパミンニューロン群は、食物消費を促進するとともに、エピジェネティックな機構を介して肥満発症に関与することが示唆されました。本研究の結果は、視床下部室傍核ドーパミンニューロン群が肥満の予防や治療の新たな標的となる可能性を示すものです。

 

Paper information

Ariyani W, Yoshikawa C, Tsuneoka H, Amano I, Imayoshi I, Ichinose H, Sumi-Ichinose C, Koibuchi N, Kitamura T, Kohno D. Proc Natl Acad Sci U S A. 2025 Apr;122(13):e2411069122

Online URL

https://doi.org/10.1073/pnas.2411069122

Lab HP

https://taisha.imcr.gunma-u.ac.jp/

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