群馬大学・秋田大学連携グローバルCOEプログラム、生体調節シグナルの統合的研究


グローバルCOEの展開に向けた新たな連携の構築

秋田大学医学部長 秋田大学大学院医学系研究科長 本橋 豊

秋田大学と群馬大学が共同申請したグローバルCOEプログラム「生体調節シグナルの統合的研究」が厳しい競争的環境下で採択されたことは、両大学の発展にとって誠に喜ばしいことです。地方の時代における卓越した世界的研究教育拠点の形成という国民の期待に応えるべく、両大学の総力を結集して最先端研究の推進と世界的研究者の人材養成という目標を達成することが望まれます。両大学とも平成14年から開始された「21世紀COEプログラム」の拠点校としての着実な実績と優れた人材育成事業の成果が中間評価において高く評価されたことが、今回のグローバルCOEの採択につながったものと推察されます。COEの事業の継続が社会的に認められたことで、地方大学のリーダー的存在として、その責任はきわめて大きなものとなりました。大学同士の連携がますます重視される中で、秋田大学と群馬大学が最先端の生命科学研究の成果を共有した上で、新たなパートナーシップを構築することは、「個性輝く大学づくり」の好事例となることでしょう。そして、世界最高水準の卓越した研究教育拠点が地方においても形成可能であることが示されることで、多くの大学関係者に勇気と希望を与えることになります。

さて、秋田大学は今回のグローバルCOEの採択を受けて、本学医学系研究科の優れた生命科学研究者を結集し、免疫やがん等の基礎研究を推進するとともに、世界的視野で独立して研究できる若手研究者の育成するためにさまざまな支援方策を講じます。また、IT技術なども駆使しながら群馬大学大学院との単位互換や教員交流を積極的に進めて参ります。国際シンポジウム開催、海外の研究機関との人材交流等の国際研究交流も強化いたします。秋田大学と群馬大学が真の連携を実現することで、高度な研究教育能力をもつ独創的な人材を養成することをめざします。

「生体調節シグナルの統合的研究」がめざす免疫、内分泌、神経という3つの生体調節システムの統合的研究は学術的にも斬新なものです。さらに、両大学が有する研究教育のリソースをお互いに補完しながら、国際的な学術ネットワークを構築することにより、我が国の生命科学研究の道程にとって、本プログラムが大きな一里塚になることは間違いないことでしょう。

今回のグローバルCOEプログラムの始動が両大学にとってのみならず、我が国の生命科学の研究教育の発展に大きく寄与することを心から願っております。