須藤俊一1、寺岡滉一1、川崎一郎1、杉浦健太1、佐々木妙子2、前島郁子1、小迫英尊3、佐藤美由紀2、佐藤健1(1. 群馬大学・生体調節研究所・細胞構造分野、2. 群馬大学・生体調節研究所・生体膜機能分野、3. 徳島大学・先端酵素学研究所)
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受精―それは卵母細胞が精子と融合し、成熟した個体から全く新たな生命が誕生する有性生物にとってきわめて重要な生命現象です。この際、受精卵や胚においては卵、精子由来のタンパク質やオルガネラ等の分解が起こるとともに胚自身の遺伝子発現が開始され、胚発生に向けて細胞内のタンパク質構成と細胞機能が大きく変化します。
本研究では、受精後に不要となった母性細胞膜タンパク質の選択的分解に必須な因子として生殖細胞特異的な生殖顆粒(Z顆粒)の構成因子HERD-1を発見しました。一部の母性細胞膜タンパク質は受精後、多胞体経路を経由してエンドソーム、リソソームへ輸送され分解されますが、HERD-1が欠損するとこの過程を担う多胞体経路等の制御因子が一部減少していました。母性細胞膜タンパク質の分解不全は、small RNA合成等に関わるDEPS-1やPRG-1の欠損により抑制されたことから、母体に存在する生殖顆粒構成因子がsmall RNA系を介して初期胚(子)におけるエンドソーム機能を活性化(エンドソーム・スイッチング)し、胚発生に向けて細胞内の再編成を緻密に制御していることが明らかになりました。
Paper information
Shun-ichi Suto, Koh-ichi Teraoka, Ichiro Kawasaki, Kenta Sugiura, Taeko Sasaki, Ikuko Maejima, Hidetaka Kosako, Miyuki Sato & Ken Sato. Germ granule components regulate endosomal switching during the oocyte-to-embryo transition in Caenorhabditis elegans. Commun Biol. 2026 May 7 ; 9, 952
Online URL
https://www.nature.com/articles/s42003-026-10193-0#citeas







