佐藤幸市1,2*、茂木千尋3、齋藤(青木)悠4、石塚全5、白河純2、戸村秀明6、Dong-Soon Im7 (1. 群馬大学生体調節研究所シグナル伝達分野、2. 群馬大学生体調節研究所代謝疾患医科学分野、3. 群馬大学生体調節研究所粘膜エコシステム分野、4. 群馬大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科、5. 福井大学学術研究院医学系部門病態制御医学講座呼吸器内科学分野、6. 明治大学農学部生命科学科、7. 慶熙大学校薬学大学(大韓民国)、 *責任著者)
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二価金属イオン(ニッケル、コバルト、マンガンなど)は、低酸素誘導因子(HIF)を誘導して炎症に関与しますが、血管組織における作用の詳細は明らかではありませんでした。今回、代謝疾患医科学分野の佐藤幸市准教授らの研究グループは、ヒト冠動脈平滑筋細胞におけるHIFとプロトン感知性受容体OGR1の役割を解析しました。金属イオンは比較的遅い経路(HIF)を介してVEGFaやレプチンを誘導する一方で、OGR1を介して迅速にIL-6やCOX-2を誘導することを見出しました。また、IL-6分泌は主にOGR1/Gq/11/Ca2+/PKD2/CREB経路を介していると推測されました。さらに、OGR1は酸性条件下で微小な金属イオン濃度変化を感知できることが観察され、相乗的なメカニズムの存在が示唆されました。このように、金属イオンはOGR1による速い炎症応答とHIF経路による遅い応答の双方で血管炎症に寄与すると推測されました。
Paper information
“The proton-sensing OGR1 receptor and hypoxia-inducible factors promote metal ion-induced inflammatory responses in coronary artery smooth muscle cells”
佐藤幸市、茂木千尋、齋藤(青木)悠、石塚全、白河純、戸村秀明、Dong-Soon Im
J Biol Chem(米国生化学分子生物学会)301(12): 110842
PMID: 41135674
doi: 10.1016/j.jbc.2025.110842
公開日:オンライン10月22日
Online URL
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41135674/








