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氏名 | 森 昌朋 MORI MASATOMO |
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所属 | 群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学・教授 | |
ラボURL | http://ichinai.dept.med.gunma-u.ac.jp/ |
肥満症とその代謝異常に対する生理活性因子の研究
肥満を基盤に肥満症やメタボリックシンドロームが発症するが、肥満は摂食亢進とエネルギー消費減少により生じ、それらを制禦するのが視床下部である。興味あることに、視床下部に発現し、摂食を制御する分泌型の生理活性物質は末梢の脂肪細胞にも発現している。逆に脂肪細胞の分化増殖に影響を及ぼし脂肪細胞に発現している分泌型活性物質は視床下部にも発現している。この機軸をThe Brain-Adipose axisと言う。The Brain-Adipose axisを構成している複合的因子の障害が肥満症を引き起こすことになる。
1)生理活性シグナル因子の研究
視床下部と脂肪細胞に局在し、視床下部で摂食抑制性に作用する新規生理活性シグナル因子を見出しNesfatin-1と命名した。肥満者はleptin抵抗性状態が大きな問題点であるが、Nesfatin-1はleptin抵抗性病態でも摂食抑制効果を発揮するので、抗肥満薬としての展開が期待される。そこで、以下の研究を実施する。
2)転写因子を介した生理活性シグナル因子の研究
生理活性シグナル因子の発現はその遺伝子プロモーター上に結合する転写因子により制禦されるが、遺伝子発現には転写因子だけでは不十分であり、転写共役因子を必要とする。いくつかの疾患は転写共役因子の異常により発症し、転写共役因子病として提唱されている。脂肪細胞や肝臓では転写因子異常により種々の肥満症やそれに伴う代謝異常が生来する。そこで、以下の研究を実施する。