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群馬大学 生体調節研究所

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がん細胞の「進化」の主な原因〜DNA過剰複製によるゲノム不安定化の仕組みの一端を解明

関本隆志、小田司、倉島公憲、山下孝之 (群馬大学 生体調節研究所 遺伝子情報分野) 花岡文雄 (学習院大学 理学部)

概要

がんの完治を困難にする最大の原因のひとつは、がん細胞のDNAが絶えず変異しやすい不安定な状態にあるため高い遺伝的多様性を獲得し、人体内における様々な環境要因で「淘汰」された「強者」の細胞が生き残ることです。まさに生物界における「進化」と同様で、過酷な環境(治療)で大部分が死滅しても、少数の生き残りが再び増加してきます。がん細胞DNAが不安定になる原因として、DNAの過剰な複製(再複製)による遺伝子増幅やゲノム再編成が知られていますが、その分子機構は十分明らかではありません。このたび群馬大学 生体調節研究所 遺伝子情報分野(山下孝之 教授)の研究グループはDNA再複製に、正常なDNA複製に関与の乏しいYファミリーDNA合成酵素が関与することを見出しました。この知見は、新しいタイプのがん治療の開発に役立つと期待されます。

Sekimoto et. al 2015

プレスリリース配付資料(PDF)

原著情報

Both High-fidelity Replicative and Low-fidelity Y-family Polymerases are Involved in DNA Rereplication
Sekimoto T, Oda T, Kurashima K. Hanaoka F, Yamashita T.
Mol Cell Biol 35: 699-715, 2015

オンラインURL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25487575

研究室URL

http://molgen.imcr.gunma-u.ac.jp

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