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群馬大学 生体調節研究所

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魚類の背と腹の境界を作るメカニズムを解明しました

阿部耕太1,2、島田敦子1、田山さやか1、西川穂高1、兼子拓也1、津田佐知子3、唐岩藍翔梨4、松井貴輝4、石谷太2、武田洋幸1 (1.東京大学理学系研究科生物科学専攻動物発生学研究室、2. 群馬大学生体調節研究所3. 埼玉大学理工学研究科生命科学部門、4. 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域)

概要

 わたしたちのからだには背と腹があります。メダカを用いた研究から、背と腹の間には境界があり、一生涯明確に分けられていることがわかっていました。しかし、どのようなメカニズムで明瞭な境界が作られるのかはわかっていませんでした。本研究ではメダカを用いて、この明瞭な境界の形成に関わる新規細胞群、「水平境界細胞」を発見しました。水平境界細胞は、背腹を一生涯分断する組織構造である水平筋中隔を形成することがわかりました。さらに、水平境界細胞で発現するHhipという因子が、発生に関わるシグナル経路の一つWnt/β-カテニンシグナル経路を抑制することが境界の精緻化に必要であることがわかりました。本研究は、動物のマクロな形態パターンを正確に形成、維持するメカニズムの理解に繋がると考えられます。

原著情報

Horizontal Boundary Cells, a Special Group of Somitic Cells, Play Crucial Roles in the Formation of Dorsoventral Compartments in Teleost Somite. Kota Abe, Atsuko Shimada, Sayaka Tayama, Hotaka Nishikawa, Takuya Kaneko, Sachiko Tsuda, Akari Karaiwa, Takaaki Matsui, Tohru Ishitani, and Hiroyuki Takeda. Cell Rep. 2019 Apr 16;27(3):928-939.e4.

オンラインURL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30995487

研究室URL

http://signal-system.imcr.gunma-u.ac.jp/

 

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