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群馬大学 生体調節研究所

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肥満やそれに伴って起きる糖尿病に対する新奇治療法

趙 敏1,#, 奥西 勝秀1,#, 歩 云1,#, 菊池 司2, 王 昊1, 北村 忠広2, 泉 哲郎1,* (1. 群馬大学生体調節研究所遺伝生化学分野、2. 群馬大学生体調節研究所代謝シグナル解析分野、#:共筆頭著者、*:責任著者)

概要

遺伝生化学分野の泉哲郎教授らの研究グループは、同研究所代謝シグナル解析分野との共同研究で、肥満やそれに伴って起きる糖尿病に対する、新奇治療法につながる知見を見出しました。肥満は、脂肪細胞に脂質が過剰にたまった状態で、これを効率よく分解することができれば、原因に依らない肥満治療法となる可能性があります。私たちは、これまでの研究で、脂肪細胞に高発現するALK7という受容体の機能が喪失したマウスでは、肥満状態の時のみ脂肪分解を促進し、脂肪重量を軽減させることを示してきました。今回、ALK7に対する中和抗体を、遺伝性肥満マウスあるいは高脂肪食を負荷した食餌誘導性肥満マウスに投与したところ、脂肪重量が半減し、肥満に伴う耐糖能、インスリン感受性の低下が改善することがわかりました。また、本抗体の投与により脂肪細胞のALK7の機能を抑制すると、そのリガンド(受容体に特異的に結合して活性化させる物質)である、脂肪組織マクロファージから産生されるGDF3の発現・分泌も低下することがわかり、その分子メカニズムも明らかにしました。本研究によって、肥満や糖尿病を有するヒト患者に対する抗ALK7治療法への応用に繋がることが期待されます。

 

プレスリリース資料はこちら → 【遺伝生化学分野202301】 プレスリリース

原著情報

"Targeting activin receptor-like kinase 7 ameliorates adiposity and associated metabolic disorders"
JCI Insight (The American Society for Clinical Investigation). 2023 Jan 10;e161229. doi:10.1172/jci.insight.161229. PMID: 36626233
公開日:1月10日(火)(アメリカ東部標準時刻)

オンラインURL

https://insight.jci.org/articles/view/161229

研究室URL

http://molend.showa.gunma-u.ac.jp/

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