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群馬大学 生体調節研究所

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[20201113]内分泌・代謝学 共同利用共同研究拠点セミナー(2020年11月13日開催)生活習慣病解析プロジェクト共催

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内分泌・代謝学 共同利用共同研究拠点セミナーに、東京都医学総合研究所・基礎医科学研究分野 松田憲之 先生(ユビキチンプロジェクト プロジェクトリーダー)をお招きし、「Parkinによって損傷ミトコンドリアに付加されるユビキチンの機能解明」についてご講演を頂きました。
松田憲之先生は「ユビキチンを介したミトコンドリアの品質管理」について世界をリードされる非常にご高名な先生です。講演では、ほかの蛋白質にユビキチンを付加するParkinというE3リガーゼやPINK1という蛋白質キナーゼが、ミトコンドリアの膜が損傷されると同時にどのようにしてミトコンドリアにユビキチンを付加し分解に導くのかなど、細胞内のミトコンドリアの品質を高く保つ機構について、ご自身と他グループの研究結果を交えて非常に明瞭にご説明いただきました。さらに、用いられつつある新たな研究手法による研究結果や世界の研究動向についても触れていただいたため、過去だけでなく今後の研究の進展についても触れることができました。
オンラインと現地開催の共催となりましたが、両者とも多くの方々にご参加いただき、活発に質問等が飛び交う非常に有意義な会となりました。

 

 

 

 

 

 

「Parkinによって損傷ミトコンドリアに付加されるユビキチンの機能 解明」
松田 憲之 先生
東京都医学総合研究所・基礎医科学研究分野
ユビキチンプロジェクト プロジェクトリーダー
日時:令和 2 年 11月 13 日 (金)16:00 ~17:30
講演(生体調節研究所1階会議室)および ZOOM による開催
申込方法:1111日(水)正午までに所属・氏名・セミナー開催日を明記の上、下記アドレスまでメールでお申し込みください。申込者には、ZOOMミーティングURLをお知らせします(生体調節研究所の方は申込は不要)。
また、会議室での聴講希望者はその旨をご記載ください
連絡先: 生体調節研究所細胞構造分野 瀬戸 (8843)
Email: mseto@gunma-u.ac.jp

ミトコンドリアは呼吸によるATP 産生など,多くの機能を担う重要なオルガネラである。一方でミトコンドリアは活性酸素種の産生源でもあり,諸刃の剣としての性質を持っている。そこで生体にはミトコンドリアの品質を識別し,ダメージを負ったミトコンドリアを選択的に排除する機構が備わっている 。PINK1 と Parkin は遺伝性潜性 劣性 パーキンソン症候群の原因遺伝子産物である 。
我々は,PINK 1 とParkin が 「 膜電位の低下した損傷ミトコンドリア 」 で特異的に活性化するセリンスレオニンキナーゼPINK 1 とユビキチン連結酵素 Parkin であることを明らかにした(1,2)。
両者は協調して損傷ミトコンドリアにユビキチンを付加しており,それがシグナルとなって損傷ミトコンドリアは分解に導かれる 。我々は PINK 1 Parkin によるユビキチン化の分子メカニズムの研究を進めて,PINK 1 がユビキチンをリン酸化することで Parkin を活性型に変換すること(3,4)や,Parkin の形成するミトコンドリア上のユビキチン鎖が PINK 1 によってリン酸化されると,それが細胞質の Parkin をリクルートする受容体となり,最終的に異常ミトコンドリアのユビキチン化が一気に促進されること(5)などを解明した 。

最終的に,PINK 1 と Parkin の付加したユビキチン鎖が選択的オートファジーのシグナルとなって,損傷ミトコンドリアはマイトファジーによって除去される(6)。しかしながら,ユビキチン鎖がどのように 『 読み出される decoding される )』 のかについては未解明な点も残されていた。我々は,Parkin の触媒したユビキチンが損傷ミトコンドリアからペルオキシソームへの移行シグナルという予期せぬ機能を持つ(7) ことを発見した。さらに,ユビキチンと結合した OPTN( optineurin が ATG 9 オートファゴソーム形成時に膜を供給する重要なオートファジー関連因子 と結合し,ユビキチン OPTN ATG 9 という経路を介してマイトファジーを誘導することを解明した(8)。
本発表では演者らの最新の知見を紹介しながら,『 Parkin によって損傷ミトコンドリアに付加されたユビキチンの機能 』 について
考察したい 。

(1) Matsuda et al., JCB 2010; (2) Okatsu et al., Nature Commun. 2012; (3) Koyano et al., Nature 2014; (4) Yamano et al., JBC 2015; (5) Okatsu et al., JCB 2015; (6) Yamano et al., eLife 2018; (7) Koyano et al., EMBO Rep 2019; (8) Yamano et al., JCB 2020.

松田憲之先生は遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子産物の解析により、Parkin や PINK1 の機能が「ユビキチンを介したミトコンドリアの品質管理」  であることを明らかにされている大変著明な研究者です。皆様のご参加お待ちしております。

連絡先: 生体調節研究所細胞構造分野 瀬戸 (8843)
Email: mseto@gunma-u.ac.jp

ポスターはこちら→ポスター(日英)

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