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群馬大学 生体調節研究所

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長寿遺伝子が「糖への欲求」を抑えるしくみを解明しました

松居翔1、佐々木努1、河野大輔1,2、夜久圭介3,4、犬束歩5,6、橋本博美1、菊池司1、須賀孝慶1、小林雅樹1、山中章弘5、原田彰宏7、中川崇3,4、尾仲達史6、北村忠弘1 1. 群馬大学生体調節研究所代謝シグナル解析分野 2. 群馬大学先端科学研究指導者育成ユニット 3. 富山大学先端ライフサイエンス研究拠点 4. 富山大学大学院医学薬学研究部(医学)病態代謝解析学講座 5. 名古屋大学 環境医学研究所 神経系分野Ⅱ 6. 自治医科大学 医学部 生理学講座 神経脳生理学部門 7. 大阪大学大学院医学系研究科解剖学講座細胞生物学分野

概要

代謝シグナル解析分野の佐々木努准教授を中心としたグループは、富山大学、名古屋大学、大阪大学、自治医科大学との共同研究により、意識下で起こる「糖を食べたいと思うメカニズム」の解明を進め、「糖への欲求」を意識下でコントロールするしくみを、新たに2つ解明しました。
1.糖分をとった時に、FGF21というホルモンが肝臓から分泌され、「糖を食べた」という情報を脳の視床下部にあるオキシトシン神経に伝えて、活性化させます。オキシトシンは、脳の中ではたらいて「糖を十分に食べた」と思わせることにより、「糖への欲求」を抑えます。
2.オキシトシン神経細胞にある長寿遺伝子SIRT1は、FGF21に対する感度を高めることで、「糖を十分に食べた」と感じやすくさせることにより、「糖への欲求」を抑えます。
「甘いものの食べ過ぎ」が起こるような病態(例えば、糖尿病や肥満症の患者さん)において、解明されたメカニズムの意義を今後明らかにしていく予定です。

原著情報

Neuronal SIRT1 regulates macronutrient-based diet selection through FGF21 and oxytocin signalling in mice.
Matsui S, Sasaki T, Kohno D, Yaku K, Inutsuka A, Yokota-Hashimoto H, Kikuchi O, Suga T, Kobayashi M, Yamanaka A, Harada A, Nakagawa T, Onaka T, Kitamura T.
Nature Communications 9(1):4604 (2018).

オンラインURL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30389922

研究室URL

http://taisha.imcr.gunma-u.ac.jp/index.html

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