久保憲夫、斎藤理恵、濱野邦久、長澤雅裕、青木史暁 （群馬大学 生体調節研究所 細胞調節分野） 武井泉 （東京歯科大学） 梅澤一夫 （慶応大学 工学部） 桑野博行 （群馬大学 医学系研究科 病態総合外科学） 小島至 （群馬大学 生体調節研究所 細胞調節分野）
概要
コノフィリンはタイ原産の熱帯植物から抽出されたビンカアルカロイドである。コノフィリンは肝星細胞を強力に抑制する作用をもち、その増殖や活性化を抑えるとともにコラーゲンなどの基質蛋白の産生を著明に減少させる。ラットにチオアセタミドを連続投与すると典型的な肝硬変が発症するが、この時同時にコノフィリンを経口投与すると肝線維化は起こらず肝硬変も発症しなかった。肝星細胞は著明に減少し、コラーゲン量の減少、線維化の抑制が認められた。コノフィリンは肝線維化を抑制する有効な治療法となる。
原著情報
Conophylline suppresses hepatic stellate cells and attenuates thioacetamide-induced liver fibrosis in rats.
Kubo N, Saito R, Hamano K, Nagasawa M, Aoki F, Takei I, Umezawa K, Kuwano H, Kojima I.
Liver Int 34: 1057-1067, 2014
オンラインURL
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24119135
