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群馬大学 生体調節研究所

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キヌレン酸合成酵素の役割を解明

大橋一登 (所属1)、Romanas Chaleckis (所属2、3)、高稲正勝 (所属1、2)、Craig E. Wheelock (所属2、3)、吉田知史 (所属1、2) (1. 群馬大学 生体調節研究所、2. 群馬大学 未来先端研究機構、3. Department of Medical Biochemistry and Biophysics Karolinska Institutet)

概要

キヌレン酸(KA)は、必須アミノ酸の一つであるトリプトファン(Trp)の代謝産物として知られています。KAは単細胞生物からヒトなどの高等生物に至るまで多くの生物で見出されていますが、これらの生物に共通の機能はよく分かっていませんでした。本研究では、このKAの機能を明らかにするために、真核生物のモデル細胞である出芽酵母に遺伝子操作を施し、KA合成酵素を欠失した出芽酵母を作成しました。この酵母を詳細に調べた結果、KAには細胞増殖や生存に必須ではなかったものの、KA合成酵素の欠失により、出芽酵母は高濃度Trpに感受性を示すことが明らかになりました。すなわち、KA合成酵素は高濃度Trpによる細胞毒性を緩和する役割を担っており、KAは過剰なTrpを無毒化した結果として生じた排泄物の一種であると考えられます。

原著情報

Kynurenine aminotransferase activity of Aro8/Aro9 engage tryptophan degradation by producing kynurenic acid in Saccharomyces cerevisiae
Kazuto Ohashi, Romanas Chaleckis, Masak Takaine, Craig E. Wheelock, and Satoshi Yoshida Scientific Reports 7, 12180 (2017)

オンラインURL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28939805

研究室URL

https://www.imcr.gunma-u.ac.jp/?organization=5197-2

 

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