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群馬大学 生体調節研究所

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輸送小胞の開口放出に関わるタンパク質SNAP23がインスリン分泌に抑制的に働いていることを発見

國井政孝(所属1,2)、今泉美佳(所属3)、高橋倫子(所属4)、小林雅樹(所属5)、川上良介(所属6)、近藤恭光(所属7)、清水猛(所属7)、清水史郎(所属8)、林邦忠(所属9)、布村一人(所属9)、青柳共太(所属3)、大野光代(所属4)、大村谷昌樹(所属10)、佐藤隆史(所属1)、吉村信一郎(所属2)、佐藤健(所属1)、原田玲子(所属2,11)、金允政(所属9)、長田裕之(所属7)、根本知己(所属6)、河西春郎(所属4)、北村忠弘(所属5)、永松信哉(所属3)、原田彰宏(所属1,2、責任著者) 1. 群馬大学 生体調節研究所(IMCR) 生体情報部門 細胞構造分野 2. 大阪大学 大学院医学系研究科 細胞生物学 3. 杏林大学 医学部 生化学教室 4. 東京大学 大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 構造生理学 5. 群馬大学 生体調節研究所(IMCR) 代謝シグナル研究展開センター 6. 北海道大学 電子科学研究所 光細胞生理研究分野 7. 理化学研究所 環境資源科学研究センター ケミカルバイオロジー研究グループ 8. 慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 9. 大阪大学 産学連携本部 10. 熊本大学 生命資源研究・支援センター 11. 宝塚医療大学 柔道整復学科

概要

細胞内で合成されたホルモンや消化酵素は輸送小胞と呼ばれる袋に入って運ばれ、開口放出という機構によって細胞外へ分泌されます。本研究ではこの開口放出を促進すると考えられているタンパク質SNAP23に着目し、膵臓の腺房細胞とランゲルハンス島β細胞のそれぞれで特異的にSNAP23遺伝子を欠損するマウスを作製し、解析しました。その結果、腺房細胞でのSNAP23欠損マウスではアミラーゼ分泌が著しく減少しましたが、β細胞でのSNAP23欠損マウスでは逆にインスリン分泌が2倍以上に増加することがわかりました。このことから、SNAP23が腺房細胞からのアミラーゼ分泌には必須であるが、β細胞からのインスリン分泌は阻害していることが示唆されました。
さらに、膵臓でSNAP23の作用を抑制することによってインスリン分泌を増加させることが可能ではないかと考え、理化学研究所との共同研究により、SNAP23に結合する低分子化合物としてMF286を同定しました。MF286をマウス個体の腹腔内へ投与したところ、血中のインスリン濃度が増加し、血糖値の上昇が抑えられることがわかりました。このことから、MF286がマウス個体内においてインスリン分泌を増加させることが示唆されました。今後、SNAP23を標的とした新しい糖尿病治療薬の開発につながる可能性が期待されます。
生調研HP用 図

原著情報

Masataka Kunii, Mica Ohara-Imaizumi, Noriko Takahashi, Masaki Kobayashi, Ryosuke Kawakami, Yasumitsu Kondoh, Takeshi Shimizu, Siro Simizu, Bangzhong Lin, Kazuto Nunomura, Kyota Aoyagi, Mitsuyo Ohno, Masaki Ohmuraya, Takashi Sato, Shin-ichiro Yoshimura, Ken Sato, Reiko Harada, Yoon-Jeong Kim, Hiroyuki Osada, Tomomi Nemoto, Haruo Kasai, Tadahiro Kitamura, Shinya Nagamatsu, and Akihiro Harada. Opposing roles for SNAP23 in secretion in exocrine and endocrine pancreatic cells, The Journal of Cell Biology, Vol.215, No.1, 121-138.2016

オンラインURL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27697926

研究室URL

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/acb/

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